流儀
Style
-
居合術諸流派の多くがそのルーツを林崎甚助重信に求めます。
これはその刀法がその創始当時いかに画期的なものとして人々にインパクトを与えたかということの証左であると言えるのかもしれません。重信思えらく大小二剣は腰に帯し鞘の内に在り鯉口を発する所必ず勝利の理あるべしと。
之を悟らんと欲し楯岡林崎明神に祈願すること一百日。
ついに奇怪萬字剣を夢想に見て豁然大悟、太刀打の根源居合剣法を発明し神夢想林崎流と號した。と伝わります。この室町期に出羽に興った居合術は北へ伝播し、江戸期に伝承者が津輕家に召し抱えられることで弘前藩に伝わりました。
笹森順造が東奥義塾塾長の頃(大正末〜昭和初期)、伝承者の千葉健之助に学び、その道統を承けました。
-
-
-
三尺三寸の長剣を以って九寸五分の小刀に勝つ。
長い方が有利ですからここに不思議はありませんが、小刀との距離が0だったらどうでしょう。そのような無理筋な状況を設定し、そこから発して事態の打開を図るにはどうするか。
この問題の立て方に当流の特色があります。設対者(打方)を置いて難題克服に挑むという稽古方法は原型に近いものだと言われており、居合術が実戦刀法であった時代を彷彿とさせます。
宗家
Head of the family
-
石崎 徹
- 1968年
- 東京都に生まれる。
- 1987年
- 早稲田大学剣道部(~'91)
- 2009年
- 第十七代宗家笹森建美に入門
- 2017年
- 本目録免許
- 2017年
- 笹森建美指名により宗家
- 2020年
- 一般財団法人禮楽堂理事
専修大学経営学部教授
同大学体育会剣道部 顧問
-
禮楽堂では神夢想林崎流居合のみの教授は行っておりません。
小野派一刀流の稽古が相当程度進んでから希望者に教授をします。それは設対者を置いての稽古であること、模擬とはいえ金属の刀を用いることから、相手との合わせ方や間合いの取り方、刀の取扱い方がある程度できていることが求められる為です。
先師が中々我々に教えて下さらなかったのもむべなるかなと道統を承け継いだ今にして思うことしきりです。
ただ、一刀流で基礎ができていれば学ぶ上でのハードルは下がりますし、逆に当流での気づきが一刀流にフィードバックできることもあります。
速く抜く必要はありません。
恰好良く極める必要もありません。
正しく合理的に長剣を操ることを研鑽するものです。
見せる為ではなく飽くまで実践的な刀法です。
稽古風景
-
-
-
-
弾く
-
抜き付ける
-
打ち付ける